JR逗子駅前の喧噪からわずかに40m、車が入れない小路の脇に建つクリームイエロー色のビルの1階にこの店Dolcicianeはある。レンガとテラコッタタイル、ウッドを配した店内はわずか13席のこぢんまりとした店内だが、 テーブルの上には至福の世界が広がる空間だ。
ランチは、運ばれてきたお皿を見た瞬間に歓声を上げてしまいたくなる、旬の食材をふんだんに盛り合わせた前菜プレートから始まる。季節毎の食材を用いたアランチーニにフリット、 鮮魚、パテとハム、フルーツのサラダの鮮やかな色合い。前菜だけでもビールにワインまで楽しめるが、ランチなのでお酒は我慢。 同行者がいるときは注文する自家製のノンアルコールソーダもよく合う。次いで、スープ、パスタ、メイン(肉か魚)、食後の飲み物とすてきな時間は過ぎていく。時々ドルチェに手が伸びるが、 キャラメルのジェラートに食後のコーヒーの組み合わせは絶品だ。
ディナーはアラカルトだが、前菜の盛り合わせやコースに変更も事前に相談すると要望に応えてくれる。旬の地物の食材でメニューが構成されるので 、メニューは3週間ほどで改訂される。オーナーの土井さんは逗子出身で、湘南のレストランで修業した後に地元で開業した。
子どもの頃、大人になったら季節のものを楽しめる行きつけのお店をもつ事が憧れだった。その頃夢見ていた行きつけのお店の青写真は和食であったが(子どもだったので和食しか思い浮かばなかったのかもしれない)、 今その夢をDolcicianeで楽しめている。