フードアナリスト協会認定講師、日本さかな検定二級　長谷　章がお勧めするお店は神奈川県鎌倉市雪ノ下（鶴岡八幡宮のそば）の路地裏にひっそりと店を構える『料理屋　大三』です。

このお店を知ったのは私の尊敬する料理人『鮨富』の藤井富雄さんから教えていただいたのが最初のきっかけでした。藤井さんは妥協を許さない料理への探究心をお持ちの方です。 なかなか外さメガネの叶う店がないので藤井さんのお勧めなら間違いないと思い、予約のうえ訪問しました。小さなビルの二階に料理屋大三はありました。 暖簾をくぐるとカウンターだけの落ち着いた清潔感あふれる食空間が広がっていました。カウンターは10席。

日本には四季があり、その四季は24節気72候に分類され、その時々の旬の食べ物があります。たとえば今、私が原稿を書いている今は『小暑』で小暑の末候、 72候の第33候、『鷹乃学習（たかすなわちわざをならう）』です。そろそろ淡路島の鱧が美味しい時期となります そうだ！料理屋大三で美味しい鱧料理をいただこう！

料理屋大三のご主人は橋田大三氏、1970年生まれ、愛媛県今治市出身。18歳で今治の割烹で修行を開始、京都、神戸でも修行し、30歳で独立。今治市内で料理店を経営、その後、 スペイン就業時の取引様から駐スペイン日本大使公邸料理人就任という輝かしい経歴をお持ちです。マドリッドの公邸料理人の任期を終え、 キプロスへ渡り、総料理長として初の日本人シェフによる日本料理店の立ち上げに尽力しました。女将は橋田和江氏、マドリッドの公邸料理人橋田氏と知り合い結婚し、 キプロスのお酒のオーガナイズを任され利き酒師の資格を持ち、料理のマリアージュとしてお酒を提供していました。帰国後、御夫婦で鎌倉に料理屋大三を開店。現在に至る。 寡黙ながらしっかりとしたお仕事をする大三氏、きさくに会話ができる雰囲気作りの上手い和江さん。

このように素晴らしい経歴をお持ちのお二人が提供する料理は納得のものばかりです。